知識

創薬

SBDDを活用したA2AR拮抗薬 AZD4635(HTL1071)の創薬

By Miles Congreve | Jun 21, 2019

カンファレンス

New Approaches in Medicinal Chemistry
20 June 2019
Brabaham Research Campus, Cambridge, UK
Society of Chemistry Industry

カンファレンス ウェブサイト


要約

アデノシン2A受容体(A2AR)拮抗薬は、単剤および他の治療薬との併用によるがん治療において、新たに注目を集めている治療薬群です。既に他の研究で、腫瘍微小環境内における細胞外アデノシンの蓄積が、免疫抑制の重大なメカニズムであると明らかにされており、がん免疫療法にA2AR拮抗薬が有用である事が示唆されています。現在、がん領域における多くの主要プレーヤーにより、A2AR拮抗薬のメカニズムに関する臨床的検証が行われています。

Sosei Heptaresは、最適化された膜タンパク質サンプルを精製することができるStaR®技術を中核プラットフォームとして保有しており、生物物理学的アプローチおよびタンパク質の構造決定に利用しています。Sosei Heptaresでは、構造ベース創薬(SBDD)技術を用いて、数年にわたってA2AR拮抗薬の創薬に取り組んできましたが、その過程で、リガンド受容体のX線共結晶化により、オルソステリック部位に結合する複数の化学物質を特定しました。なお、臨床候補薬AZD4635(HTL1071)の特定については、がん治療における有用性を示す生物学的データとともに、提携パートナーであるAstraZeneca社より説明される予定です。

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